様々な企業や団体は、少しでも「顧客」との接点を広げ深めるために、積極的に参加して楽しんでもらえるようなキャンペーンをいくつも展開しています。
そんな中において、むしろ顧客を「お客さん」とは見なさないことで、参加させ楽しませる方法も実は存在しているように思います。
今回は、“羨ましい仕事化”の法則を取り上げます。
[Chapter1] 事例から法則を読み解く
来場者に動物のフンを掃除させる?上野動物園のやり口に座布団一枚!
都心からのアクセスも良好、ということで不動の人気を誇る上野動物園ですが、有名なのはなんといっても、パンダでしょうか。
しかし、ファミリー層にはもうひとつ、子供を連れて行くと喜ぶ嬉しい名所があります。
それは、ふれあいゾーン(なかよし広場)という場所。
ヤギや羊やニワトリといった動物たちと戯れることのできるゾーンです。
しかしこの場所、動物が放し飼いになっていることから、そこら中に動物たちのフンがまき散らされてしまい、お客さんが踏んづけてしまったり、臭いで不快な思いをさせてしまったりしていたことが悩みでした。
ですが上野動物園はこの問題を、「従業員(人件費)を増やして掃除させる」ことなく、解決することに成功したのです。
その方法とは、この一枚の貼り紙でした。
「ヤギのウンチ掃除」キミもしいく係になれる!
そう、子供たちに従業員体験と称して、掃除させたんです。フンを。
子供たちは、自身の小学校ではうさぎなんかの飼育係を嫌々担当したことはあるかもしれませんが、「動物園の飼育係」ともなると、全く話が変わりますよね。
圧倒的なプレミアムな体験となり、満足度が向上します。
しいく係用のホウキとちりとりは数組しか用意されていないそうで、これにより希望者全員には用具が行き渡らず、結果として実際に、「ヤギのフンの掃除待ち」「掃除したい!という駄々こね」という脅威の現象が発生しているそうです。
この事例をもう少し俯瞰で見て、アイデアの補助線として捉えるのであれば。
時として、企業・団体が顧客にやらせたいことを「憧れの仕事」にしてしまうことで、むしろ顧客の方からやらせてほしい!と頼まれるような状況をつくりだすということも、場合によっては可能ということになります。
例えばタウンワークは、少し前から「激レアバイト」と称し、宇宙飛行士や声優など、普通に生きていたらまず関わることのできない特殊な体験を「バイト(仕事)」として紹介するキャンペーンを展開しています。
こちらも、先ほどの上野動物園と同じく「憧れの仕事」をつくってしまうことで、自社の取り組みに顧客を参加させることに成功しています。
上手くいけば「その手があったか!」という課題解決の鮮やかさも伴って、話題化にもつながりやすい法則ですね。
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[ “羨ましい仕事化”の法則|Point ]
◎顧客に参加させたい体験を「仕事化」できないか考察する
◎その仕事に「貴重・希少さ」を持たせて「憧れの対象」となるよう設計する
◎「この取り組みが話題になりそうか?」をひとつの判断軸として持つ
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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージをさらに深めていきます。
[Chapter2] 法則から事例を読み解く
オーストラリアの美しさを伝えて観光を促すには?
日本からのアクセスも比較的に良く、大自然から近代建築まで、様々な魅力を持つオーストラリア。
2009年当時、この国が、もっと観光客を増やしたい!ということで、頭を悩ませていたそうです。
観光客を増やす常套手段としては、観光大使を置くなどして、継続的にSNSやメディアを通して「オーストラリアの美しい風景」を発信し続けることでしょう。
そんなありふれた手法を、“羨ましい仕事化”の法則を活用して、世界中の人々の関心を集めて話題化させることは可能でしょうか?
オーストリア観光局が出した答えは、こんなプロモーションでした。
その名も、THE BEST JOB IN THE WORLD (世界最高の仕事)。
何が、「世界最高の仕事」なのか?
それは、観光局が募集した仕事の中身を見れば一目瞭然です。
以下が、実際に公式プレスリリースとして出された募集要項でした。
クイーンズランド州観光公社は2009年1 月11 日(日)から2 月22 日(火)までの約1 ヶ月間、「アイランドケアテイカー(島の管理人)」を募集します。
世界各国にて採用希望者を募り、最終的に世界で一名のみ採用されるアイランドケアテイカーの仕事とは…6 ヶ月間グレートバリアリーフの島で管理人として働きながら、グレートバリアリーフの各地を旅して得た経験や感動をブログにしたり、写真でアップをしたりすることで総額15 万AUS ドルの給与が貰えるという、過去にも類を見ない夢のような仕事です。
色々と書いてありますが、つまり「1ヶ月間、世界有数の美しい海でのんびりブログを書くだけで、1000万円以上稼げます」という仕事です。
「こんなに羨ましすぎる仕事は世界でココしかない!」ということで、世界中から応募が殺到し、当時大変な話題となりました。
観光大使、という機能してそうでほとんどしていない役職を一般人に開放し、さらにその仕事の中身を、遊ぶだけで大金を稼げる活動にしてしまう。
オーストラリアの魅力を伝えながら、潜在顧客の参加を促し、話題化にもつながるという、とても上手いやり方です。
まさにお手本にしたいような事例ですね。
※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。
アイデアの補助線(Pinterest)| 羨ましい仕事化 の法則
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