よく朝の情報番組では、血液型や星座、動物キャラクターの競争などを用いた「今日の運勢占い」コーナーがありますよね。
アレも立派な、顧客を番組に参加させる方法のひとつです。
今回は、そんな手法をさらにダイナミックに仕立てて企業プロモーションとしても活用できる、“チャーミングな神頼み”の法則を取り上げます。
[Chapter1] 事例から法則を読み解く
「ウサギの徒競走」に勝てば半額キャッシュバック!独・家電量販店のチャーミングなプロモーション
日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米では春にイースターを盛大に行う習慣がありまして、この日は家族が集まってご馳走を食べる一大イベントとされています。
そして、そこでの豪華な食事に欠かせないのが、『ウサギ』。
これはウサギが多産であることから、命、再生、春のシンボルに例えられるためなのだそうですが、ドイツ最大の家電量販店・MEDIA MARKTでは、10匹の可愛らしいウサギをつかって、イースターにちなんだプロモーションを実施しました。
その取り組みとは、『ウサギたちによるレース競争』。
3ヶ月もの訓練を受けたウサギを10匹用意して、「どのウサギが1位をとるか?」を生中継で競争させるイベントを実施しました。
このイベント、もちろん単に競争させるだけではありません。
イベント開催前、家電量販店のMEDIA MARKTにて商品を購入した際に発行されるレシートには、下の方に0から9までの番号がランダムに印刷されており、その番号と同じゼッケン番号をもつウサギがレースで優勝すると、購入した金額の50%がキャッシュバックされるという仕組みを用意。
イベントの数週間前から、出場するウサギたちのポスターやトレーニングの様子を収めた映像を公開するなど、精力的な宣伝活動を展開することで、事前に大きな注目を集めました。
そしてイベント当日は、大手テレビ局9チャンネル、さらにYouTubeやMEDIA MARKTのHP上で同時放送され、およそ2,000万人以上ものドイツ人が固唾をのんでレースの行方を見守ったそうです。
(この数字は、なんとサッカーW杯の準々決勝の視聴率を上回るほどだそうで、人々の関心がいかに高かったかが伺えます。)
ここまで大きな話題となった背景には、イースターという時節の盛り上がりに便乗したことや、ウサギという動物自体の可愛さによる効果は見逃せません。
ですが、それ以上に人々が熱中した一番の要因は、半額キャッシュバック、という嬉しいメリットが得られるかどうかの「自分の命運」を、“動物による生のレース”という、人が運命を操作できない「不確実な出来事(偶然)」に委ねざるを得ない状況に置かされたことなのではないでしょうか。
この例で言えば、ある意味「競馬」で自分の有り金を1頭の馬にベットする感覚と近いかもしれません。
賭けるだけ賭けたら、あとは命運を動物に託すのみ。
動物は人間の願い事を懸命に聴いてくれるわけではありませんし、ときに嘲笑うかのような態度さえとります。
それでも、相手が動物である分、つい、自分の期待に応えてくれるのではないかと期待してしまう。
そこに人は熱中してしまうのでしょう。
あみだくじを引くよりも、よっぽど温度感のある、チャーミングな神頼みになります。
「抽選で〇〇名に✕✕が当たる!」といったフレームで顧客の参加を促したいときは、顧客の命運を動物に委ねてしまうことで、人々が熱中するイベントに仕立てることができるかもしれませんね。
>>>>>>>>>>>>>>>>>
[ “チャーミングな神頼み”の法則|Point ]
◎顧客がもらって喜ぶ「インセンティブ」を用意する
◎インセンティブがもらえるかどうかを「人間が左右できない偶然」に委ねさせる
◎「偶然」は、動物や天候といった“つい自分に都合よく動いてくれそう”と感じるものに運命を委ねられるとベター
>>>>>>>>>>>>>>>>>
以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージをさらに深めていきます。
[Chapter2] 法則から事例を読み解く
「顧客へのプレゼント×猫」で人を惹き付けるには?
先ほどの事例では「ウサギ」を取り扱いましたが、次はSNSでも不動の人気を誇る「猫」を活用した事例をみていきます。
クライアントは、UNIQLOサンフランシスコ。
彼らは店舗のオープン記念として、顧客に対して様々なグッズ・商品のプレゼント企画を考案していきました。
こうした企画を考える際、よくありがちなのが、商品購買時にレシートに「当たり」「ハズレ」を記載してプレゼントキャンペーンに参加してもらうような方法でしょうか。
しかしUNIQLOサンフランシスコは、“チャーミングな神頼み”の法則にのっとり、顧客がプレゼントをもらえるかどうかの命運を“猫”に託すプロモーションを考案しました。
それがこちら、「LUCKY CUBE WITH MARU」。
MARU、という2012年当時ネットで有名だった猫を起用し、プレゼントが入った4つのボックスの中から1つを選んでくれるWEBサイトを開発しました。
非常にチャーミングな猫の様子に、つい「そっちじゃない!」と声を出したくなりますよね。
機械的な抽選ややり飽きたくじ引きなんかよりも、よほど注目したくなる上手なやり方です。
SNSが人々のインフラとして定着して久しいですが、特に「動物の可愛らしい様子」の画像や動画の威力は衰えることなく、かわらず強い訴求力を誇るコンテンツです。
今回取り上げた2事例のように、“チャーミングな神頼み”の法則を活用しながらうまく動物を絡めたプロモーションを粘り強く考えることで、結果大きな話題創出にもつながるかもしれません。
※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。
アイデアの補助線(Pinterest)| チャーミングな神頼み の法則
※記事の更新情報は、Facebookページにて随時配信中です。ぜひチェックしてみてください。













