今回、取り上げる法則は、タイトルの通りいたってシンプルです。
顧客が「こんなこと、実際にできたらいいのに」と思うことを、本当にやってのけてしますことで強いロイヤルティを獲得する“顧客願望の実現” の法則を、以下事例を交えてご紹介します。
子どもの描いたおもちゃを本当に作ってしまった“Toy Lab Turns Drawings Into Toys”
ひとつ目の事例は、広告代理店のTBWAトロントがクリスマスに行ったセルフプロモーション。
親にとってのクリスマスの重大イベント、といえば、子どもがいかに喜ぶプレゼントをあげられるか。
子どもに欲しいものを聞けばその通りのものが買えますが、できればサプライズで、本当に欲しかったものをこっそり買ってプレゼントしたいですよね。
でも、プレゼントしたものがあまり喜んでもらえなかったとしたら、こんなに悲しいことはありません。
そんなインサイトに目をつけたTBWAトロントは、クライアントのお子さんたちに、おもちゃのデザインキットを贈りました。


しかし、中に入っているのは、画用紙。
ここに、「こんなおもちゃがほしい!」というものを、子どもたちに描いてもらいました。


そして、子どもたちが描いたデザインをもとに、3Dプリンターを活用して本当におもちゃをつくってプレゼントしてしまった、という取り組みです。



子どもたちからしたら、まるで夢のプレゼントですよね。
広告会社の施策ですが、おもちゃメーカーがクリスマス限定のサービスとして行っていいくらいの、とても素敵な取り組みだと思います。
このように、ある商材やサービスに対して、顧客が「こんなこと、実際にできたらいいのに(まぁ実際できないのはわかってるけど)」と心の何処かに思っていることを掬い取り、実際に実現してしまえたら、強い好感度・ロイヤルティの獲得に結びつくと考えられます。
この辺りの取り組みが上手だなぁ、と感じるのがIKEA。
グローバルに様々な取り組みを行っているIKEAですが、この“顧客願望の実現”の法則と照らし合わせると、たとえば以下のような施策を行っています。
▼「いっそのこと、IKEAで暮らせればいいのに…」を叶えた “IKEA BIG Sleepover”
こちらは、イギリスのIKEAで開かれたファン感謝イベント。
IKEAに遊びに行くと、素敵な家具が溢れすぎていて、「もうここで暮らしたい」だなんて冗談半分に思ってしまったことはないでしょうか。
そんなファンの願望に目をつけたIKEAが、Facabookのファンに向けて開催したのが、「I Wanna Have A Sleepover In Ikea(IKEAでお泊り会がしたい!)」というイベント。

このパーティーに招待されるのは100人限定とのことですが、実際に参加したファンは生涯IKEAファンであり続けるのではないでしょうか。
▼「寝っ転がりながら映画を観たい!」を叶えた “IKEA Bedroom Cinema”
IKEA Bedroom Cinema from Instinct on Vimeo.
こちらはIKEAロシアの事例。
映画館で上映される映画であっても、できるものならば、家で観る時のように寝っ転がって観れたら最高ですよね。
そこでなんと、館内にある座席を全て取り払ってしまい、代わりにベッドを運び込んで「ベッドルーム・シネマ」なるものをつくりあげてしまったという事例です。

こうした事例はなかなか日本では見られないかもしれませんが、ニュースとして動画や記事を見るだけでも、グローバルにIKEAが「顧客サービスに熱心」なイメージを与えて好感度UPにつながるのではないでしょうか。
息子の願望を父が「オトナの本気」で叶えた“A Toy Train in Space”が素晴らしい
顧客の願望、ではありませんが、息子の願望をとても素敵な方法で叶えた父親の事例を、最後に。
子どもの想像力は、無限。
機関車トーマスを買い与えれば、汽車なのに、まるで空中を泳ぐように走らせて遊びます。
そんな様子を見守っていた父が、息子をもっと喜ばすために思いついたこと。
それは、機関車トーマスを、本当に宇宙空間に飛ばしてしまうという試みでした。
見返りを求めず、できる限りを尽くして相手を思いっきり喜ばせようとすること。
それでしかたどり着けない境地がきっとある、と感じざるを得ないような、とても素敵な父からのプレゼントだと思います。
いつか自分の子どもにも、とびっきりの喜びを届けてみたいなぁ、だなんて思ってしまいました。
最後、少し話が逸れてしまってすみません。
この“顧客願望の実現”の法則は、「顧客がどのようなことに願望を抱き、諦めてしまっているのか」ということに対する鋭い洞察と、ある意味利益を度外視しながら、「うちの商品・サービスをフル活用して、思いっきり喜ばせたい!」という男気のある着眼点が必要です。
しかし、SNS時代であればこそ、うまくブランディングとしても活用できるような、投資対効果も望める方策かもしれませんね。


