今回は、人を生理的に惹きつけてしまう力を秘めた“日常の覗き見”の法則を取り上げます。
なぜ、「監視カメラ」で人の本質を覗き見る映像“Coca-Cola Security Cams”に惹きつけられるのか
まずはコカ・コーラがアルゼンチンで放映した、とてもハッピーなCMを。
“幸せなお節介”の法則でもご紹介しましたが、コカ・コーラは、「Happiness」 をブランドのコアバリューに置いた様々な施策を行っています。
その取り組みのひとつとして放映されたCMなのですが、その手法が一風かわったものでした。
それは、“監視カメラが捉えた日常のささやかな「Happiness」な瞬間を切り取る”という方法。
そこには、きっと今も世界の何処かでひっそりと起きているような、ささやかな幸せが映り込んでいました。
それはたとえば、ベンチでカップルがキスする瞬間であったり、
ストリート・ミュージシャンの音楽に合わせて踊りだす人であったり、
落ちていた財布を拾ってあげる人であったり、
エンストした車を押して助けてあげる人たちであったり。
監視カメラ、というと、つい「犯罪現場を押さえるもの」として捉えがちですが、カメラがふだん捉えているのは、そうした一瞬の悪い出来事だけではありません。
その着眼点のユニークさがこの動画の面白さのひとつではありますが、ここで着目したいのは、「監視カメラの映像」そのものになぜ惹かれてしまうのかということ。
監視カメラって、ようは“覗き見(隠し撮り)”ですよね。
ゆえに、そこに映る姿は、確実に「やらせ」ではない。
だからこそ、カメラが捉えた「落ちた財布を拾う人」や「エンストした車を押して助ける人」は、誰かに格好つけたくてやっているわけではないことがわかります。
100%の善意、純粋な感情で、人が動いている。
それがわかるからこそ、ここに揺るぎない感動を覚えます。
“GOOD PEOPLE IN RUSSIA”というタイトルの以下の動画でも、同じような切り取り方で、人の善意を垣間見れます。
車の車窓から撮影された動画で、そこには、ある歩行者を助けるドライバーや他の歩行者が映し出されます。
そして、“覗き見”が持つ、もうひとつのポイント。
これらの隠しカメラの映像を観る側の気持ちって、何かイケないことをしている気分になるものです。
相手は観られていることに気づかないわけですから、一方的にその状況をコチラだけが楽しんでいる、という昂ぶりも芽生えます。
いうなれば、背徳感。そして、優越感がある。
ゆえに、人は言い寄れぬ興奮を覚えてしまうのでしょう。
上記2つの事例では、とてもポジティブな方向にこの“日常の覗き見”の法則を活用した例をご紹介しました。
が、この“覗き見”自体の普遍的な強さを象徴する事例を、さらに以下ではご紹介したいと思います。
(最もわかりやすいのは、アダルトビデオ系の企画モノの“隠し撮り”系がそれだと思いますが、少々不適切なので…企業活動として活用した事例をピックアップします。)
▼他人のキッチンを“覗き見”できるWEBサイト ― “IKEA In the kitchen”
IKEA In the kitchen from Instinct on Vimeo.
こちらはロシアのIKEAが作成した、「In the Kitchen」というインタラクティブなWEBサイト。
“IKEAストアに行かずしてIKEAのキッチンを体験できるようにする”というコンセプトで開発されたそうですが、そうはいっても、普通にWEBサイトでキッチン見れるだけだとわざわざサイトにアクセスしてまで見に行きたい気持ちにはなりませんよね。
そこで目をつけたのが、“覗き見”というトリガー。
サイトにアクセスすると、ある家族の和やかなキッチン風景が動画で流れ、まるで覗き見をするようにキッチンを探索できます。
さらにキッチン内の家族をクリックすると、その人の視点に切り替わった映像にチェンジ。
また、人だけではなく、キッチンの中にいる猫や金魚鉢に泳いでいる金魚をクリックしても、その動物の視点にも変えることができるというものでした。
特に、動物の視点で覗き見ができる、というのは面白いですね。
▼「覗き穴」が持つ普遍的な吸引力 ― “大電撃文庫展”
これくらいであれば公序良俗に反しないかな?ということでご紹介。
こちらは2013年に実施された、「大電撃文庫展・冬」という萌系キャラクター大集合な展覧会。
僕はこちらの方面に疎いので、「萌系キャラクター」という言い回し自体、合ってるのかも定かではなく不安ではありますが…こちらの展覧会では、キャラクターのイラストや女風呂の再現展示など、様々な展示物があったようです。
その展示物の中に、こんな覗き穴が。
こちらを覗くと、ファンには大興奮なイラストがさらに展示されていたようですね。
この「覗き穴」という手法は、それだけで、思わず覗いてみたくなる吸引力があります。
少し前のドラマですが、嵐の二宮さん主演の「フリーター、家を買う。」のSHIBUYA109特別展示では、このような覗き穴が設置されていました。
覗き穴の向こうでは、番組映像の他、土木作業員姿の二宮さんによるコメント映像も観られるようになっていたようです。
ファンにはたまらない演出でしょうし、メディアでもこのような見出しでニュースとなっていました。
メディア拡散やアクセス数を稼ぎやすいPRリリースの手法としても、「覗き穴」というのはひとつのフックになるかもしれません。
※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。













